《0歳児》 |
保育目的 |
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よく遊び、よく食べ、よく眠り、生理的欲求を満たされ安心して、心地よい生活を送る。 |
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乳汁、流動食、半固形食と段階をたどり、心身ともに健康な状態で年少幼児普通食を食べる。 |
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身近な人と見知らぬ人との区別がつくようになり、後追いや人見知りをして甘え受容されることにより、情緒的な人間関係ができ安定する。 |
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色々なことを見る・聞く・しゃぶる・つかむ・振るなどの感動的経験を通し自ら食べることを身に付ける。 |
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適切な養護と安全を図り、お座りやはいはい、つかまり立ちなど、基礎体力となる色々な運動を行い、一人立ち、しゃがむ、歩行、などが安定する。 |
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発達の特徴 |
<運動能力> |
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原始的反射が少しずつ抑制される。 |
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首がすわり、寝返り、腹這い、お座り、はいはい、つかまり立ち、つたい歩き、ひとり立ち、歩行する。 |
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親指をひらく、手を伸ばし指をひらく、つかむ、持ちかえる、口へ運ぶ、つまむ、落とす、投げる。 |
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<認知能力> |
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光を見る、動くものを目で追う、あやされると笑う、身近な大人の顔を見て笑う、親しい大人が手を差し出すと身体をのり出す、人見知り、そばにいた人が居なくなると泣く、「いないいないばぁ」をすると笑う、大人の言葉、声、表情、声のトーンの変化に耳を傾け、目を向ける。 |
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授乳〜初期(2〜5ヶ月) |
ねらい |
・生理的欲求が満たされ、情緒の安定を図り、安心して過ごす。
・空腹時は一定の保育士に抱かれ、微笑まれたり、優しく話しかけられたりしながら安心して授乳し、心と身体も満たされる。 |
内 容 |
・よく遊び、よく眠り、満足するまで乳を吸う。
・欲求を泣いて表す。
・保育士にゆったり抱かれ、乳(母乳、ミルク)を飲む。
・ゆったりとした雰囲気の中で授乳してくれる人、食べさせてくれる人に関心を持つ。 |
配慮・
働きかけ |
・一人ひとりの生活リズムを大切にしながら、特定の保育者が継続的に関わり、情緒の安定を図る。 |
環 境 |
・一定の保育士が愛情豊かに継続的で応答的にゆったりとした気持ちで関わる。 |
家庭との
連携 |
・保護者の考えや思いに耳を傾け、家庭での様子を詳しく聞き、過程の延長になるようにする。
・子どもの生活リズムは大人が作ることを伝える
・一人ひとりの発達・発育状態を適切に把握し、ともに配慮する。
・アレルギーへの対応を嘱託医、主治医との相談しながら進めていく |
初期〜中期(6〜8ヶ月) |
ねらい |
・粒のないどろどろ状のものを飲み込むことに慣れ、豆腐程度の舌でつぶせる固さのものを、舌を動かしつぶして飲み込むことが出来量になる。
・少しずつコップで、お茶、スープを飲みことに慣れる。
・いろいろな食べ物を見る・触る・味わうなどの経験を通して、進んで食べようとする。 |
内 容 |
・よく遊び、よく眠り、食事を楽しむ。
・色々な食べ物に関心を持ち、食べようとする。
・楽しい雰囲気の中で一緒に食べる人に関心を持つ。
・保育者の挨拶を真似、一緒に食事前後の挨拶をする。
・食事以外のものをよく口元へ運ぶ。その中で食べられるものと食べられないものを知っていく。
・哺乳瓶やスプーンからのみの水分補給から器(コップ)などを用いての摂取することを知っていく。 |
配慮・働きかけ |
・自分の口に持っていくまで持ったり、下唇を刺激して上唇や舌の働きを引き出す。
・食事前後のあいさつをやって見せたり、手を合わせるなどして伝えていく。
・保育者がコップを持ち、口に運び、少しずつコップで飲むことに慣れるようにする。 |
環 境 |
・居て地の保育者が継続的に関わり、楽しい雰囲気の中で食事をする。 |
家庭との連携 |
・月齢により判定するのではなく、子どもの口元を見ながら進めたり、また戻したりながら進めることを伝え、また今の発達を抑えることの重要性も伝える。
・園での様子を分かりやすく伝えたり、離乳食のレシピなどを渡し、離乳食の重要性について知らせる。 |
中期〜完了(9〜12ヶ月) |
ねらい |
・口の中で食べ物を動かし、つぶしながら飲み込むことから、バナナ程度の固さのものを口の中で移動させ、歯茎などを使い噛むことを獲得する。
・こぼしながらでもスプーンを持ったり、手づかみをしたりしておいしく食べる。またミルクの量が減ってくる。
・一度に口の中に入れる量を調節させながら食べやすい量やペースを知る。 |
内 容 |
・生活量が増し、探索行為も増え、睡眠時間も安定し、ますます食事することへの興味、意欲を見せる。
・手づかみ食べを認め食べ物の感覚を体感する。また、少しずつ道具(スプーンなど)をつかって食べることにも興味・意識が出る。
・コップで飲もうとする。
・噛んでつぶし、飲み込むことを覚える。
・自分の思いに反することをされると、怒って泣き、思いを伝えようとする。 |
配慮・働きかけ |
・保育者がスプーンでご飯をすくっておいておくなどして一口の量に調整する。
・手づかみで、こぼしながらも食べようとする姿を認め、様子を見ながら介助用スプーンで口に運ぶ。
・「カミカミ、ゴックン」などと声を掛け、噛んで飲み込むことができるよう伝えていく。 |
環 境 |
・子ども用のスプーンと介助用のスプーンを用意し、自分で食べることができるようにする。 |
家庭との連携 |
・咀嚼や嚥下の機能の発達に応じて食品の種類、量、大きさ、固さなどを調理形態について連絡を取り合う。また、体調の面も気を付けて見る。
・ミルクの量を食品の摂取量に応じて調節できるように伝える。 |
完了〜普通(1歳〜2歳未満) |
ねらい |
・食材を増やし、形のある食物を噛みつぶすことが出来るようになり、心身ともに安定した少年幼児食へと移行する。
・スプーンやコップを持って食べ、自分で食べることの楽しさを覚える。また、ミルクから牛乳へと移行する。
・五感を働かせ吟味することにより好みに偏りが見られるが、安心できる人の下でおいしく食べるようになる。 |
内 容 |
・保育者に見守られて、玩具や身の回りのもので一人で遊んだり、探索活動を盛んにする。
・促されて、食事前後の挨拶をする。
・食事の前の手洗いを進んでしようとする。
・手伝ってもらいながら、楽しい雰囲気の中で食事をする。
・単語や指差しで自分の思いや考えを保育者に伝えようとする。また、保育者の語りかけを聞き、うなずいたり首を横に振ったりする。
・食材の色や味を知っていくと同時に意欲の減退(残食)の量がまちまちになる。 |
配慮・働きかけ |
・噛む力が未熟なので、固さや大きさなどに配慮し、保育者が小さく切るなどして介助していく。
・介助をしすぎず、スプーンの持ち方やコップの持ち方など保育者が手を添えて、伝えていく。
・声を掛け、食事前後のあいさつをする。 |
環 境 |
・食べものの絵本を保育者と一緒に見たりする。
・遊びの中でスプーンを使ったり、コップを使ったりする。 |
家庭との連携 |
・食品の偏りが出ないように、様子や与え方、調理形態などについて共に考え、伝え合って偏食が出ないようにする。
・介助をしすぎず、スプーンの持ち方、コップの持ち方など、どのようにしたら食べやすいかなどを、手を添え丁寧に優しく伝えることの大切さを認識し合う。 |